思春期にお悩みの保護者の「一言」への応策

「中学2年の女子のお母さんから、
どのように応すべきかわからない一言を受けました。

子どもの思春期に悩んでいるお母さん。
勉強面だけではなく、生活面における悩みも多いようです。
面談で話を聴いていたら『先生には子育てのご経験がないから、
親の気持ちはわからないのだと思います』と言われてしまいました。

確かに、その通りです。
思春期の女の子の気持ちもよくわかりません。
このような場合には、どのような応が望ましいのでしょうか」

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子育てコーチ・江藤真規の教育コーチングの視点

「事実」はお母さんのおっしゃる通り、ですよね。
自分が親になってこそ、親の気持ちがわかる部分は
多々あることと思います。

私は、教師と保護者との関係構築を
7年に渡り大学院にて研究してきておりますが、
「教師自身が親になること」は
保護者との良好な関係構築に至る要因として
明らかとされてきた事実の一つです。

ところが……

「その通りですね。私達には
到底分からない部分があるのでしょうね」と
一歩引いてしまうと、保護者の不安は大きくなるばかり。

先生にして、
距離感を覚えてしまう危険性も含んでいます。

そこで、求められるのは、
①相手を承認した上で
②相手(家庭)の役割と
③自分(塾)の役割を明示していくことです。

わからないことが悪いことなのではなく
わからない部分があるのは当然で

だからこそ、自分のわかっている部分で
勝負をしていくという発想です。

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「わからない」に挑むためのアプローチ
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1 わからない、を認める

「おっしゃる通りかもしれませんね」と
保護者が今、現在感じている気持ちを
そのまま受け止めます。

その上で「役割」について話を進めましょう。

「しかし、子どもがいないからこそ
見える世界もあると信じ、
生徒の指導に関わっております」

2 家庭と塾との役割の違いを明示

「そもそも家庭と塾とでは、
役割には違いがあると思うんです」

「例えば、お子さんは家庭では愚痴をこぼします。
塾では、いいところを見せようとします。
家庭はきっと、羽を伸ばして休む居場所であり、
塾は頑張って挑む場所なのではないでしょうか」

3 塾は、塾としての役割を全うすることを伝える

「●●さんが頑張って背伸びをする場所が塾なのだとすれば、
頑張りの成果を最大化させるために、
私たちもしっかりと彼女を導いていきますね」

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家庭とは異なる、塾の役割を明確化することで、
保護者の安心感は増し、未来に視点が移ることでしょう。