受験に向けた親子間”決め事ステップ”


長年にわたって中学受験に奮闘する親子を、この目で見てきましたし、さまざまな相談を受けてきました。

今年も受験の天王山である夏本番を迎えるにあたり、子どもの頑張りを一番近くでサポートせんとするお母さんたちと触れ合う機会が増えてきたところです。

先日、受験生の息子さんをもつお母さんが、ふと

「7月に入ったら、毎日ドリルを2ページずつする約束をしたのに、全然やらないんです」

といったお悩みをこぼしました。

同じような問題を抱えるお母さんもきっと多いことでしょう。
今回は、このような事態に、どのように対処したらいいのかをお伝えしたいと思います。

まず、決め事のステップ振り返りましょう。

約束はどのようにして決めましたか? 

親が「7月からこうしようね!」と一方的に決めたのなら、子どもと話し合うことからやり直してみてください。

なぜなら、子どもが自分の意思のないものに対して積極的に取り組むわけがないからです。

気をつけたいのは、一緒に話し合って決めたと「思い込んでいる」場合。

本当に、合格という目標に向けた子どもの意志をくみ取るステップを踏んだでしょうか。

誘導はしていない、というのであれば、約束の内容に目を向けましょう。

「やらない」=「できない」理由があるはず。
2ページ続けるほど集中力がもたない、ドリルのレベルがその子の段階に合っていない、塾に行った日は疲れているからやりたくない……など聞けば何かしらの理由が出てくると思います。

引き出して解決に導きましょう。
続けられないのは、その取り組めに何らかの無理や要らぬ我慢があるからです。

いずれにせよ、頭の片隅においておきたいことは目標=「合格」であり、ドリルは「手段」であるということです。

ここを履き違えてしまわぬよう注意が必要ですね。

written by 江藤 真規