イマドキ子育て理想像の弊害?


お仕事の関係で、中学受験生が多く在籍する学習塾の皆さまとお会いすることがたくさんあります。
さまざまな話をしていくなかで、最近よく耳にする話題は「放任する保護者の急増」です。

親が敷いたレールではなく、子ども自らの力で未来を構築していってほしい。
これがイマドキの理想的な子育て観かと思います。

しかし、実はこの子育てはとても難しいもの。
なぜなら子どもの主体性を大切にしようと、親が何も言わずにいると、結局子どもはダラダラと過ごしてしまうから。
そのようなわが子に対して苛立ちを覚え、思わず怒鳴ってしまった保護者の方は、読者の皆さんのなかにも多いのではないでしょうか。

「○○しなさい」

と指示ばかりしていては、たしかに子どもは

「ママ、次は何をすればいい?」

と指示待ちタイプに育ちます。
だからと言って、何もかかわらずに放っておくわけにもいかない。

子どもとの距離の取り方、やらせることと任せることとのバランスが非常に難しいのが実際です。
でも、断言できることはあります。

避けるべきは「放置すること」だということです。

「進路は息子に任せています」

「彼女の人生ですから、彼女に決めさせたいと思っています」

など、受験生の保護者にも、進路は子どもに丸投げ状態の方が多くいるそうです。

当然、子どもにも決める力は備わっています。

でも、子どもにとって大切なのは今であり、
結局はつながっていく未来ー10年先、20年先ーまで見据えた決断をすることはできません。

子どもに任せる、の正解は放置ではなく自由を与えるということ。

その上でお母さんは、子どもが自ら動き出せる「環境」整備に尽力することが重要だと考えます。

次回のコラムでは、そのための3つのヒントをお届けしたいと思います。

 

written by 江藤 真規