「信じて見守る勇気」をもとう


受験を意識していても、していなくても、親が子どもに対して懸念を抱くものといえば学業成績です。

勉強ばかりがすべてではないとわかってはいても、遊んでいる姿ばかり見ていると不安になってしまうもの。

すると、思わず口にしてしまうのが

「宿題はやったの?」

「勉強したら?」

といった、自分が子どもだったらいちばん言われたくない類のフレーズです。

言われた子どもは(案の定)

ウンザリ顔で「今、やろうと思ってた!」

と怒り口調で返事をしながら自室にこもるか、

「そう言われてやる気をなくした」

と、リビングでゴロゴロを続行するか……。いずれにしてもお母さんの心のモヤモヤは晴れません。

「今、やろうと思ってた!」と言われない言葉かけのタイミングって、あるのでしょうか。自分におきかえて考えて見ましょう。

仕事でも家事でも子育てでも、何かが原因で睡眠時間を削って対応し続けて迎えた朝。
ようやく作った朝ごはんを食べたあと、食器をシンクに下げたものの、どうにも体が重く一息ついてから洗いたい。
10分ほど休憩し、さあ洗おうかと思っていた矢先、家族から「いつ食器洗うの? 早く洗いなよ」と言われたとしたら……。

カチンときて、せっかく起きたやる気も削がれてしまいますよね。

子どもにとっての勉強は、お母さんにとっての食器洗い。
やろうと思っても、体が動かないときはあります。
その代わり、タイミングかくれば、動き出すのです。

つまり、お母さんは親として何をするべきかというと、いつかは自分で決めて行動する、と信じて待つことです。

「それじゃ遅れをとってしまう」

と焦る気持ちはわかりますが、誰かに急かされた勉強が、身になると思いますか?

いつかは必ず、その子のタイミングがやってきます。信じて、見守り続けましょう。

written by 江藤 真規