【今回のご質問】
子どもに質問をしても「わからない」と言います。
どう対応したらいいのでしょうか。
どれだけの知識を持っているかではなく、
子どもの思考力や表現力等が問われる時代となり、
親御さんが子育てで重点を置かれる部分にも
変化が表れてきていると感じます。
「〇〇しなさい」という指示命令から
「あなたはどうしたいの?」という質問へ。
「これはこうなるのよ」と解を示すのではなく、
「自分で調べてごらん」というアプローチに。
特に、これからの教育にアンテナを張り巡らせていらっしゃる方には
上記のような取り組みをされている方が多いと感じます。
これらは、子どもを尊重した関わり。
実際、思考力や表現力等を身に付けるには
質問は大いに機能します。
ただ、いきなり何かを問われても、
答えられないことだってあるものです。
【質問の前提】
質問が機能するには、前提が必要です。
①相互の信頼関係ができていること
②考えるだけの材料(経験)が備わっていること
③表現するための言葉を知っている
です。
一つずつ見ていきましょう。
①相互の信頼関係ができていること
誰に質問されるかによって、
自分の中から出てくる言葉は変わります。
妙に優等生になってしまい、
本心とは異なることを話してしまうこともありますよね。
正しいかどうかが不安で、
「わかりません」と答えることだってあるでしょう。
自分の本音を話すためには、
相手との信頼関係が必要です。
「この人は自分のことを受け入れてくれる」、
「自分のことをわかってくれる」、
相手に対してこのような信頼があり、
「ここは自分の安全な居場所である」
こう思えた時に、人は心を開くことができるのです。
・いい子でいなければいけない
・本音を話したら怒られる
もしも、このような思いがお子さんの中にあれば、
まずは「わかってあげる」ことから始めましょう。
②考えるだけの材料(経験)が備わっていること
「あなたはどう思う?」
この問いに答えるには、
「どう思うか」その材料が必要です。
材料とは、その内容自体への知識、そして自分自身のそれまでの経験です。
「どうしたら、次の試験で点数を上げられるかな?」
この問いに答えるには、
・勉強の仕方に関する知識
・時間の使い方に関する知識
・自分の現状の客観視
・これまでのうまくいった経験
・失敗経験
例えば、こういった材料が必要です。
何も持ち合わせない状態では、
当てずっぽで答えるしかなく、
それでは到底実践に結び付かず、
うまくいかない…という結果に終わってしまいます。
質問は、子どもに答えさせることが目的ではなく、
考えさせることが目的です。
材料がない場合には、いっしょに見つけていくといいでしょう。
③表現するための言葉を知っている
自分の思いを相手に伝えるには
「言葉」が必要です。
子どもが話している内容が
あまりよく分からない場合、
「それって、〇〇のことかな」等、
言葉を添えていくといいでしょう。
「なんか面白そうだね。もう少し詳しく教えてくれる?」
こう問えば、きっと子どもはわかりやすく説明してくれるはず。
語彙力は日常の親子対話で大きく広がります。
楽しみながら、お子さんと言葉のキャッチボールをされてみてはいかがでしょう。
以上3つの前提を見て参りました。
子どもの「わからない」は
その後の成長へとつながるきっかけとも捉えられます。
「わからない」にこそ、丁寧に対応を!
お子さんの可能性はぐんぐん広がります。
この記事へのコメントはありません。