【今回のご質問】
子どもに質問をしても「わからない」と言います。
どう対応したらいいのでしょうか。

どれだけの知識を持っているかではなく、
子どもの思考力や表現力等が問われる時代となり、
親御さんが子育てで重点を置かれる部分にも
変化が表れてきていると感じます。

「〇〇しなさい」という指示命令から
「あなたはどうしたいの?」という質問へ。

「これはこうなるのよ」と解を示すのではなく、
「自分で調べてごらん」というアプローチに。

特に、これからの教育にアンテナを張り巡らせていらっしゃる方には
上記のような取り組みをされている方が多いと感じます。

これらは、子どもを尊重した関わり。
実際、思考力や表現力等を身に付けるには
質問は大いに機能します。

ただ、いきなり何かを問われても、
答えられないことだってあるものです。

【質問の前提】
質問が機能するには、前提が必要です。
相互の信頼関係ができていること

考えるだけの材料(経験)が備わっていること

表現するための言葉を知っている
です。

一つずつ見ていきましょう。

相互の信頼関係ができていること

誰に質問されるかによって、
自分の中から出てくる言葉は変わります。

妙に優等生になってしまい、
本心とは異なることを話してしまうこともありますよね。
正しいかどうかが不安で、
「わかりません」と答えることだってあるでしょう。

自分の本音を話すためには、
相手との信頼関係が必要です。

「この人は自分のことを受け入れてくれる」、
「自分のことをわかってくれる」、
相手に対してこのような信頼があり、
「ここは自分の安全な居場所である」
こう思えた時に、人は心を開くことができるのです。

・いい子でいなければいけない
・本音を話したら怒られる

もしも、このような思いがお子さんの中にあれば、
まずは「わかってあげる」ことから始めましょう。

考えるだけの材料(経験)が備わっていること

 「あなたはどう思う?」
この問いに答えるには、
「どう思うか」その材料が必要です。
材料とは、その内容自体への知識、そして自分自身のそれまでの経験です。

「どうしたら、次の試験で点数を上げられるかな?」
この問いに答えるには、
・勉強の仕方に関する知識
・時間の使い方に関する知識
・自分の現状の客観視
・これまでのうまくいった経験
・失敗経験
例えば、こういった材料が必要です。

何も持ち合わせない状態では、
当てずっぽで答えるしかなく、
それでは到底実践に結び付かず、
うまくいかない…という結果に終わってしまいます。

質問は、子どもに答えさせることが目的ではなく、
考えさせることが目的です。
材料がない場合には、いっしょに見つけていくといいでしょう。

表現するための言葉を知っている

自分の思いを相手に伝えるには
「言葉」が必要です。

子どもが話している内容が
あまりよく分からない場合、
「それって、〇〇のことかな」等、
言葉を添えていくといいでしょう。
「なんか面白そうだね。もう少し詳しく教えてくれる?」
こう問えば、きっと子どもはわかりやすく説明してくれるはず。

語彙力は日常の親子対話で大きく広がります。
楽しみながら、お子さんと言葉のキャッチボールをされてみてはいかがでしょう。

以上3つの前提を見て参りました。
子どもの「わからない」は
その後の成長へとつながるきっかけとも捉えられます。

「わからない」にこそ、丁寧に対応を!

お子さんの可能性はぐんぐん広がります。