「安心」「自信」「目標」


受験を無事に乗り越えることができる子どもには、共通点があります。それは「自分の目標がある」ということです。

親ではなく、自分自身が心から達成したいと思える目標があるということ。
と聞くと、親は「わが子にも目標を持たせねば」と張り切ります。
ちなみに、そういったアプローチが悪いということではありません。

子どもに考えるための材料を与えることは、大切です。
話は続きます。結果、お子さんに受験を通して達成したい目標ができた、と仮定しましょう。

目標ができると頑張れますから、それまで以上に受験勉強にも身が入るようになります。
ところが……残念ながら人の頑張りというものは、必ずしも結果を結ぶとは限りません。

過程において、望むレベルに達していないことがわかることもあるでしょう。
結果を踏み台として、次のエネルギーにできればいいのですが

「このままでは目標に及ばないかもしれない」

という不安から

「立てた目標は、絶対に達成しなければいけない」

という強迫的な考えに陥ってしまうことも、あるのです。
事実、昨今の心療内科の予約は中学受験を控えた子どもでいっぱいだと聞きます。

「このままでは目標をクリアできないよ」

「自分で立てた目標なんだから、もっと頑張らないといけないよ」

子どもの気持ちがポジティブな状態にあるときは、このような言葉で闘争心に火がつくこともあります。

しかし、不安を感じているときにはただ追い討ちをかけてしまうだけ。

ここからわかることは、子どもがやる気を出すには、目標だけでは足りないということ。
安心して取り組める環境と可能性を信じるための自信があってこそ、目標達成に向けて歩みを進めることができるのです。

私たち親にできること、それはやはり環境づくりに尽きるわけですね。