イマドキ保護者のREAL VOICE-教育コーチングの視点-
case.3 小学4年生の息子をもつお母さん
「習い事を行きたくないと言い、やめさせると
今度は塾までやめたいと言うように……」
小さいころから、習い事を多くさせてきました。
たいていは上のお兄ちゃんと同じ習い事をさせてきたのですが
(私も、そのほうがラクだったので……)
4年生になってから「行きたくない」「やめたい」と
言うようになってしまいました。
無理やり行かせるのは教育上よくないだろうと思い,
習い事はやめさせたのですが、今度は塾までやめたい!と。
やはり本人の意思を尊重しなければいけないですよね…。
↓↓↓ 子育てコーチ・江藤真規の教育コーチングの視点 ↓↓↓
「子どもの主体性を重んじなければいけない」
「親は口出しをしてはいけない」
教育記事にはこのような言葉が並んでいます。
言葉を表面上だけで理解し鵜呑みにしてしまうと、
今回のお母さんのように「本人の意思を尊重しなければいけない」
短絡的になってしまいます。
個々の子どもに応じて、
決定事項の内容に応じて、
親の関与の度合いを決めていかなくてはなりません。
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解決に導く「提案」のヒント
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1.保護者の意思を “確認” する
→「お母さんは、塾をやめてもいいとお考えですか?
それとも継続させたいと思いますか?」
「その理由は何でしょうか?」
子どもではなく「親として」の意思を、
はじめに確認します。
そして、明確な理由があるなら、
子どものためにも塾を継続させる勇気を持ってもらいます。
2.子どもの気持ちを “考える”
→「お子さんが “行きたくない” のは、なぜでしょう」
「拒否が始まった4年生になってから始めたこと、
子どもが何かを拒否をするときは、それなりの理由があるもの。
「行きたくない」という言葉の裏に何があるのかを考えます。
3.視点を変える “質問” を提案する
→塾を拒否する理由がわかったら
その理由である事実を取り除くために
何ができるかを相談していきます。
子ども自身に考えさせるのも一つの手です。
(例えば、誰かに言われた言葉に落ち込んでいるなら)
「その人は、本当はどんなメッセージを伝えたかったのかな?」
(例えば、単純に甘えからであったなら)
「どんな大人になりたい? かっこいい大人ってどんな大人かな?」
「いいね! じゃあ、そのためにどんな時間をいま過ごそうか?」
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何かを決定するためには、
判断するための材料が必要です。
子どもが塾をやめたいと言う場合に、
「この子には、判断するための材料が十分に備わっているか」
判断材料もなく決めてしまうのは、
太刀打ちできない試験問題に対して
鉛筆を転がして回答を記入していくのと同じです。
情報過多の時代。
聞きかじった情報を元に、
親としての行為に制限をかけている親御さんも相当数いらっしゃい
先生方のお力で、無謀な離塾を
是非とも食い止めて下さればと思います。
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WEEKLY IN-PUT
質問の先に必要な「聴く」スキル
今回、紹介したリアルボイスは、
子どもになりたい自分になるために
いま何をすべきか考えさせることで
解決に導く手法を紹介しました。
質問の内容はもちろん大切ですが、
それよりもていねいに行いたいのは
「質問」の先にある会話。
質問に対する子どもの答えを、
きちんと「聴く」ということ。
「聞く」ではなく、
耳を傾け「聴く」ということです。
そのために、まず気をつけたいのが
子どもが話しやすい環境を整えること。
押さえておきたいコツは
①向き合うよりも、隣に座る
②目の高さを合わせて、子どもの言葉を遮らない
そして、大人が聞きたいことを聞くのではなく、
子どもが話したいことを聴く意識を忘れずに。
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