【今回のご質問】
子どもを褒めるのが苦手です。褒めなければいけないのでしょうか。
褒める子育ての良さが広く言われるようになり、
もしかすると、今どきの子育ての背景には、
「褒めなければいけない」という考え方が
広がっているのかもしれません。
しかし、決して「褒めなければいけない」というわけではありませんし、
そもそも、褒めるという行為は、
子どものやる気を高めるために…や、
子どもと良好な関係を築くために…等、
目的があって行う行為ではないと考えます。
ですから、ご自分が褒めるのが苦手だ…と感じられることを
決して「自分は子育てが苦手だ」と置き換えないように
していただきたいと思います。
その上で、子育てに「褒める」を意識することは
やはり素敵なことだと感じます。
ここでは、ほめ方のノウハウではなく、
褒めるとどんないいことがあるのかについて
考えていきたいと思います。
「褒めなければいけない…」ではなく、
「褒めるって楽しそう!」と、もしも心が動かれたなら、
きっと自然にお子さんのいいところ探しがスタートしているはずでしょう。
■「褒める」で手にすること
- 褒められると気分がよくなる
褒められると気分が上がります。
皆さんもそうですよね。
褒めてもらって怒りを感じることは滅多にないと思います。
そんなの当たり前…と思われるかと思いますが、
あえてここに示したのは、
せっかく家族として、日常を共に過ごしているにも関わらず、
互いにけなし合ったり、否定しあったり、あるいは無関心でいたり…。
皆が多忙な現代社会においては
そういった状況も多くあると感じるからです。
あらためて、「褒める」を意識し、
互いに気分を高めあえるような環境を整えてみてはどうでしょう。
家庭という環境が、きっと家族皆にとって
更に居心地の良い居場所となるはずです。
- 自分の強みがわかる
自分のことは、自分にはわからないもの…。
他者からのフィードバックによって
自分を客観視することができるようになります。
「あなたはここが強いね」、
「あなたのおかげで助かっているよ」、
このような褒め言葉で
子どもは自分の強みを認識するようになります。
多様性が求められる社会において、
自分を理解していること、更には自分の強みを理解していることは、
自分の人生を主体的に生きる基盤となることでしょう。
- 見方が変わる
私たちは解釈の世界で生きています。
一つの事実に対して、様々な解釈を付しているということです。
自分のことを否定的に見てしまったり、
誰かからのフィードバックをネガティブに捉えてしまったり…。
子どもの日常には、様々なネガティブ要因があるものです。
自分なりにそれを超えていく、それが成長なのですが、
ネガティブな気持ちから抜け出せないことも時にはあるものです。
そんな時には、「大丈夫よ、そんなことないよ」と言う慰めはあまり機能しません。
それよりも、子どものネガティブな言葉をポジティブに言い換えてあげる。
このような褒め方で、子どもは自分の見方を変え、
その現状に打ち勝つエネルギーを得ることができるようになります。
「自分なんて駄目だ」、と言っている子どもには
「あなたは高みを目指しているんだね」
「自分に負荷をかけて頑張っているんだね」、と言ってあげましょう。
たった一つの言葉が見方を変え、勇気づけとなります。
その後の行動が変わることは間違いありません。
- 自分も幸せな気持ちになる
最後に、褒められる側ではなく、
褒めている側が得られることについても触れておきたいと思います。
子どものことを褒めるとは、
言い換えれば、子どものいいところを探す行為です。
いいところが見つかったら、とても幸せな気持ちになりますよね。
それは、子どもの新しい側面の発見となり、
この先への期待ともなるでしょう。
ですから、子どものことを褒める行為からは、
褒める側、親御さん側も、沢山の幸せを手にしているということです。
「褒めなければいけない…」、
このような考えかたから離れ、
「この子のいいところってどんなところだろう」
こんな風に考えてみてください。
気づけばきっと、褒めることが楽しくなっていると思います。
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