適切なゴール設定を

どれだけ社会が変化しても、どれだけ教育が変化しても、
子育てにつきものなのが、「子どものやる気」に関する悩みかもしれません。
やる気のない子(そのように見える子)に対して、
どうやる気を出させたらよいのか…という悩みです。
実際私もそういう経験は何度もしてきていますので、
「やる気が出るまで待ったらいい」等、
正論だけで片付けようとは思いません。
しかし、「やりなさい」、「なんで出来ないの」だけのバトルでは、
事態は悪化するばかり…、親にも子にもいいことはありません。

「やる気を出させるために何をするか」、ここを考える前に、
今の状況に目を向けてみませんか。
「やる気がない」と見える背景には、
どのようなお子さんの気持ちがあるのか、
そこから読み解いていくことが重要と考えます。

可能性として考えられることに、ゴールが遠すぎて、あるいは高すぎて、
自分ごととして考えられないということがあります。
自分の行動に当てはめて考えてみると分かりやすいかと思いますが、
例えば、レシピ集にあるお料理の写真を見ていて、
「美味しそうだな〜」と思っても、見たこともないスパイスや、
食べたこともない材料が並んでいたら、作ろうとは思わないですよね。
自分ごととして考えられないということです。
一方、家にある材料でぱぱっと作れる、となれば、
俄然やる気がでるのではないでしょうか。
自分ごととして、ゴールが設定できるということです。

もしも、今のお子さんが「やらねばならない」と感じていることが、
自分ごととして捉えづらいゴールであったとしたなら、
いくら「やりなさい」という声をかけたところで、
「やらなければいけないのは分かっているけど、自分には無理だ」と
なってしまいます。
本来、お子さんが備えている力さえも、出せなくなってしまいます。

お子さん自身が「自分ごと」として捉えられる大きさに、
ゴールを設定し直すことが重要です。
1日30分からはじめてみるもよし、1日1枚からスタートするもよし、
更には好きな科目だけまずはやってみるもよし。
子どもが「これならできる。自分でやってみよう」と
思える環境を整えることに、まずは意識を向けてみるのが良さそうです。
そもそもタイミングが合えば、やる気は必ず起きてきます。
「やる気がない子」と決めつけてしまわないように注意しましょう。