できるお手伝いで「ありがとう」を伝えよう


 

日本ではかねてより「キッチンは主婦の城」などと言われていますが、私の考えは少し異なり「台所は子どもたちの学びの場」だと思っています。2人の娘たちはエプロンをつけてあげると”ミニママ”となって野菜を切ったりクッキー生地をこねたりと、とても楽しそうに、嬉しそうに、家事体験をしていたものです。

ぺティナイフを包丁代わりに、3歳を過ぎた頃からキュウリやトマトを切っていました。

「小さな子どもに包丁を持たせるだなんて!」

と驚かれるかたもいらっしゃいますが、危ないのなら危なくないように見ていればいいだけのこと、不安なく持たせることが出来ました。

子どもをキッチンから遠ざけるのには「危ない」ほかに、手を出されると「手間がかかる」という理由もあるでしょう。
お気持ちはわかりますが、「子どもだから」「まだ小さいから」という発想は、自立といった観点では子どものためになりません。

野菜を切らなくても、洗うことや皮をむくことなら小さい子でもできますね。お皿を持ってきてもらったり、スプーンやコップを出すこともできるでしょう。

キッチンには小さな子どもにもお願いできるお手伝いがたくさんあります。

子どもにとってキッチンは手指と頭をたくさん動かし働かせる場所であり、誰かの役にたつことをして「ありがとう」と言われるチャンスの多い場所。

つまり、とても大切な学びの場なのです。

特に「ありがとう」という言葉を幼少期から浴びることは、自尊心の構築につながり自分への自信ともなります。

近年、学習机をリビングに置くことがすすめられていますが、もしもスペース的に余裕があるようなら、キッチンに小さなテーブルを置くのもおすすめです。

お母さんが食事の支度をしている間に子どもはそこで宿題をする。

お料理を作りながらなら、お母さんの目が宿題だけに行かずして、イライラしない、怒鳴らないという効果もきっと感じることでしょう。美味しい食事の香りがあれば、親子共々リラックスした気持ちにもなれそうですね。