「Iメッセージ」で「自分」の意見を伝えられる子に


これまでも幾度となく子どもが「自分の」意見をもち、発話する大切さをお伝えしてきました。

今回は、そのための習慣づけの一つとして、身近なお母さんが日常的に「自分の」意見を話していると、それを聞いている子どもも自然と言えるようになる、ということをお話ししたいと思います。

もちろんお母さんだけでなく、お父さんでもほかの誰でもいいのです。多くの時間を共有する家族の誰かが「私はこう思うよ」という自分の考え=「I(私)メッセージ」を発信することによって思考をまとめる力が家庭で育っていきます。

「それぞれに意見をもってもいいのだ」
「自分とは違う考えを聞くのって、楽しい!」

といった感覚が幼いうちから身につくと、その子のなかに「人の意見を聞く」アンテナが張られます。自分と違うからといって、相手を非難したり自信を失ったりしない、強い心が育つのです。

なんといっても、言葉は習慣です。
大阪に住めば自然に大阪弁が身につきます。
英語圏に身を置けば初めは難しくとも、少しの努力と時が経つにつれ、少しずつ英語が身についてきます。シンガポールにお住まいの皆さんは、ご自身の経験としてまさに今、実感されていることでしょう。同じくお母さんが「私はこう思うよ」と話す「I(私)メッセージ」は、子どもへと自然に伝染していくのです。

お母さんが発信する「I(私)メッセージ」は、子どもからの質問に返すときや叱るときにはもちろんの「大好きよ」「どうしてこんなにいい子が生まれたのかしら!」「ママはとてもうれしいよ」といった愛や喜びを伝える場面にこそ、パワーを最大限発揮します。

「I(私)メッセージ」は、相手を想い自分を伝える愛情表現の最上級、気持ちと気持ちの交換。

両親からの愛情を言葉として習慣的に伝えられて育った子どもは、自己肯定感が高く、強く優しい人へと成長することでしょう。