議論を通して互いの意思を尊重しよう


講演会などにご参加くださるお母さんたちから聞こえるお悩みのなかに

「子どもの進路について、夫と意見が食い違う」

という声があります。
中学受験には親の意見が色濃く入ってくるものです。

にもかかわらず、両親の意見が食い違っていると、子どもにも影響を及ぼします。

まずは夫婦でしっかりと議論するところから始めましょう。
議論とは、単なる好みのぶつけ合いではありません。

「なぜ、その学校をいいと感じているのか」

を互いに明確な理由を述べ合うことです。

その上で、お子さんの素質という観点から多感な時期を過ごす最高の環境を見つけ出していく、大切な話し合いの場でもあります。
ただ相手をねじ伏せればいいという訳でもありませんし、自分の考えを抑え込めがいいというわけでもありません。

議論に臨む前に、お母さん自身の考えを整理していきましょう。

例えば、伝統校を志望しているならば

「なぜ、伝統校がいいのか」を考えます。

同時に「子どもの母校となる学校に何を期待しているか」を考えていきます。

この2点が明確になると、議論がとてもしやすくなります。

次に、ご主人の考えを推測し、対立を対話へと変換していきます。

「お父さんはどうしてここを選んだのかしら」

と、相手の目線に立って考えることで、新たな気づきを得ることができると思います。

このプロセスを踏むことで、話し合いの場で相手が実際に何を考えていたのか、興味をもって聴けるようになります。

最後に、子どもの気持ちを忘れないこと。
ある程度、夫婦間で気持ちを固めたら、必ずお子さんに意見を求めてください。

親が決めた志望校から、自分自身の志望校になってこそ、受験勉強にも身が入るというものですから。