近年、保育園事業を展開する学習塾が増えてきています。

「人を育てる」という学習塾の理念に
保育事業はぴったりなのかもしれません。

もちろん、幼児期の教育には特別な配慮が必要ですし、
子育て支援・保護者支援と「学習指導」は異なりますので
そうそう簡単にできることではありません。

しかし、場所があって、人材の確保が見込めるならば、
「量の拡充」が危急の課題である保育園事業に
手を上げてくださる学習塾が出てくることは
とても有り難いことと思います。

量の拡充とともに求められるのが
「保育の質の向上」です。

私の研究の専門分野は幼児期の教育のため
保育、乳幼児教育の学会や勉強会に出ることが多いのですが、
常に議論されるのが「保育の質」についてです。

いくら保育園の数が増えても、
数が増えることが保育の質の低下につながってしまっては
絶対にいけません。

ですから、「保育の質」をどのようにして
向上させていくかの議論が活発に行われ、
質を高めていくための研修が頻繁に行われているのです。

でも…「質」と言われてもわかりにくいですよね。。。

「保育の質」はどのようにして測れるのか…
様々なスケールもありますが、
それでもわかりにくいのが現実です。

では、「保育の質=保育者の質」と考えてみるとどうでしょうか。

保育を展開する保育者が、「保育の専門家」として成長していく、
これが「保育の質」を高めるいとなみである、という考え方です。

かなりわかりやすくなりました。

測定こそできませんが、
ようするに、保育者が学び続けているか否かが
保育の質に反映される、ということになります。

保育者が学び続ける環境を準備する。
具体的には、園内研修、
特に参加型研修を習慣化していく。

このような取組みがなされている園は
質の高い保育を展開していると考えることができるはずです。

学習塾も同様と考えます。

かつては、
「質の高い学習塾=確かな合格実績を出す塾」でありましたが、
その考え方は徐々に、そして急速に崩れつつあるように感じます。

今後問われるのは「学習塾の質」でしょう。
そして、測りにくい「質」を高めているか否かは
塾講師が学んでいるか否か…で判断できます。

是非とも「学びの時間の確保」を
継続的に行っていって頂きたいと思います。