幼児向け音楽教室を展開している楽器店様で
セミナーをしてまいりました。

生徒数3,800名。
かなり大規模な教室です。

お話させて頂いたのは
「保護者とのパートナーシップをどのように築くか」について。

学校でも、学習塾でも、その他の民間教育でも…
「教室運営」には、保護者対応が欠かせません。

今回お話をさせて頂いたのは、
「保護者とどのように繋がりをつくるか」とは少し異なり、

「保護者に子どもの取り組みを、どのように意味付けをしていくか」
…といたしました。

保護者との良好な関係性とは
決して「保護者に気に入ってもらうこと」ではありません。

特に幼児期の子どもの指導者には、
二重性伴う役割があり、
子どもへの指導の他、
保護者の教育や、保護者の啓発という役割も求められています。

保護者と「何でも話せる仲」になることは大切ですが、
それだけでは、ただのお友達…。
逆に、お友達のような関係性は避けなければいけません。

ということで、今回の研修では、

・音楽教育の意味付けをしっかりと保護者に伝えていくことの重要性、
・そのためのコミュニケーション、
について、じっくりと学んでいただきました。

今、幼児期の子どもたちの習い事には
異常なほど多岐に渡る選択肢があります。

選択肢が多い中、習い事の意味付けがしっかりできていないと、

音楽教室に通い始めたが、なかなか子どもが練習しない、
家で親子喧嘩になってしまう、
他にももっと重要な習い事がありそうだ…。
だったら、やめる…。

このような思考の連鎖が起きてしまいます。

子どもの習い事に対して
保護者はすぐに成果が欲しいものなのです。

しかし、すぐに成果など出るはずもなく、
そこで、保護者は踏ん張らないといけないのです。

やりたくない、とぐずる子どもに
頑張る経験をさせること、

つまらない、と本人は言うけれども
「ここが上手になったね」と小さな成果をみせつつ
子どものやる気を引き出していくこと、

これらが保護者に求められる力であり、
こういった場面で、保護者が踏ん張ることにより、

子どもの忍耐力、
立ち直る力、
工夫する力、
成功体験や達成感などなど・・・
いわゆる「非認知能力」が育っていくのです。

踏ん張るためには、その習い事の意味合いを
保護者が理解していること、
腑に落ちていることが重要です。

ですから、先生方には保護者を勇気づけつつ、
その習い事には、どのような意味合いがあるのかを
伝えていくことが求められる…
ということになります。

繰り返します。
保護者対応とは、決して保護者とお友達になることではありません。

指導者としての立場を持って、
保護者を啓発していくこと…、
目指すはこのような関係性です。

情報過多の時代、
惑う保護者は圧倒的に膨らんでいます。

子どもの学びの意味付けを保護者にしっかりと伝え
保護者も子供とともに教育して頂きたいと思います。

もちろん、それが、離塾を防ぎ
塾の評判を上げるきかっけとなることは間違いありません。

塾と家庭、生徒と保護者、塾と生徒…
真のwin-winの関係はきっと構築できるはずです。