遊びは”遊びの専門家”に任せよう


 

小さな子どもは石ころや葉っぱなど、身のまわりのものを拾っては捨て拾っては捨て…飽きることなく繰り返します。

私の娘も幼い頃、一人で黙々と石ころ遊びに興じていたものです。

当時の私には、その遊びはとっても無駄なことに思えました。

「お友だちと遊んだら?」

と声をかけ、

「家で知育玩具で遊ばせたほうがいいんじゃないかしら」

と思っていました。
しかし、今となってはとてもいい遊びをしていたのだなと思います。

なぜなら、遊びは大人が教えるものではないから。
石ころ遊びを通して、幼いながらにいろいろなことを考え、感じていたのだなとも思います。

身のまわりにあるもので遊ぶということ、子どもならではの発想ですよね。石ころを遊びの対象にする上でも、彼女なりの選択があったことでしょう。

既製品と違い、石ころには形も大きさも一つとして同じものはありません。
あの頃の娘を思い起こしてみると

「違う」

「これじゃない」

と選別を繰り返した末に

「あった」

と嬉しそうにしていました。

不揃いの石ころのなかに何かの基準を自分で定め、見合うものを探すというオリジナルの遊びを創造していたのですね。

脳の司令塔と言われる前頭前野は読み書き・計算、コミュニケーション、手指を動かすことで活性化されると言われています。
石ころを探し、見つけ、握りしめる彼女の手の動きをと連動して、頭のなかもグルグル回って前頭前野が鍛えられていたことでしょう。

将来のために、と知育玩具を与えて遊び方までを指南する親御さんは少なくなりませんが、子どもは遊びの天才。専門家に任せるのが一番です。手にしているものが知育玩具でなくとも、子どもはそこからさまざまなことを学習しています。子どもが黙々と手を動かしているときは「試行錯誤しているのだな」くらいの大きな気持ちで、見守ってあげてくださいね。