「環境」整備のヒントー1
前回のコラムでは、イマドキの理想の子育て観についてお話をしました。
子どもの主体性を重んじて、考える力を育む。
親が敷いたレールではなく、子ども自身の力で未来へと進む道を歩んで欲しいーー。
しかし、実際にはこの子育てはとても難しく、下手をすると子どもを放置してしまう危険性があるとお伝えしました。
ここからは、子どもに自由を与えながらも、放置はしない子育てを実現するために、お母さんだからできることを紹介します。
それは、子どもがみずから動き出す「環境」を整えることです。
1つめは「隣に座る」です。
子どもの前に向き合って座ると、彼らが取る行動がすべて見えてきます。
例えば、絵を描いているとします。
お母さんから出てくる言葉は
「何を描いているの?」
「上手に描けたわね」
「その絵はちょっと違うんじゃない?」
と言ったものでしょう。
ところが、隣に座ってみると子どもがどのような様子で描いているのか、子どもが何を見て描いているのかが手に取るようにわかります。
「子どもの様子」を雰囲気で感じ取ることができるようになるのです。
座る位置を変えるだけできっとかける言葉も変わってくるのではないでしょうか。
「楽しそうに描いているね」
「よーく観察しているね」
など、評価の軸から外れた言葉になってくることでしょう。
上手下手という、評価だけでしか見てもらえない子どもは、次第に描くことに楽しみを見出せなくなります。
しかし「楽しそうだね」と、自分の在り方を認めてもらえる言葉を受けた子どもは「もっと描いてみたい」という気持ちになるでしょう。
それこそが「みずから動き出す」気持ちと言えます。
まず1つ、ヒントをお伝えしました。
次回も引き続き、同じテーマでお送りいたしますね。
written by 江藤 真規
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