【今回のご質問】
失敗に負けない骨太な子どもに育てたいのですが、家庭でできることはありますか?
■個人に応じて異なる「失敗経験」の捉え方
人生には様々な体験があり、
成功体験のみで形作っていくことはできません。
もちろん、思うようにならない経験だって
誰にでもあるものです。
ただ、「思うようにならない経験後」の反応は
個人に応じて異なります。
例えば、成績で考えてみましょう。
思うようにならない成績をとってしまった場面です。
「もう、駄目だ。自分には力がない」
となってしまうAさん。
「今回は悔しかったな。次は結果を出せるよう頑張ろう」
というBさん。
両者の違いは何なのでしょうか。
レジリエンスについて
レジリエンスという言葉を聞いたことはありますか?
金属の板などが曲げられても元に戻ろうとする力のこと。
その力を私たち人間が持つ「回復力」に当てはめ、
広く使われるようになりました。
レジリエンスは誰でももっています。
そして、高めていくこともできます。
落ち込みから立ち直る経験を経て、
人は更に成長し、
そしてレジリエンスも高まっていきます。
では、家庭でレジリエンスを育むためには
どういった工夫ができるのでしょうか。
ここでは2つの方法をご紹介しましょう。
家庭で育むレジリエンス
①「見方を変えて気分を変える」
子どもが過ごす社会には、
思うようにならないことが沢山あります。
子どもが落ち込んで帰って来た時には、
その気持ちを十分に受け止めた上で、
明るい気持ちにさせてあげます。
「頑張ったのに成績が落ちてしまった…」
「それは悲しかったね。でも、頑張った事実はなくならないよ。
次の試験までの戦略を練ろうか」
気分は言葉で変わります。
子どもが発するネガティブな言葉を、
見方を変えてポジティブに変換してあげるということです。
「ちゃんとやらないからよ」
と、更に落ち込ませるような言葉はできる限り避け、
家庭を明るい気持ちになれる空間にする。
その上で見通しを持てるようになれば、
落ち込みから立ち直る経験ができ、
レジリエンスは大きく育ちそうです。
②「自分の行動を自分で選ばせる」
「成績が落ちたのはお母さんのせいだ」等、
結果を他責にしている間は、
あまり成長が期待できません。
日常生活において、
小さなことでも自分で選ぶ経験をさせ、
「〇〇ちゃんのアイディアだね」と
自分で選んだことを意識させ、
自分で選ぶことを習慣化していくことが大切です。
自分で考え、自分で行動を決めることが習慣化されれば、
例えば、思うようにならない経験をした際にも
「どうしたらいいのか」と、
次なる手段を自ら考え自ら行動できるようになるはずです。
まさしく、回復力ですね。
子ども期は人生の土台ができる時期です。
自分の人生を「自分ごと化」するためにも
自分の行動を自分で選択できる習慣を、
是非作ってみてください。
子どもが落ち込んでいると
親はすぐに手助けをしたくなりますが、
落ち込み経験は子どもにとって必要な経験です。
ありのままの子どもを受け入れ、
立ち直りを支援できるかかわり方を意識できるといいですね。
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