否定ではなく「新たな知識」の伝達をする


私もそうだったのですが…、

頑張ればなんとかなる!と思い込んでいる
保護者は多いのではないでしょうか。

努力すればなんとかなる。
「出来ない」という言葉は私の辞書にはありません!
というタイプの方です。

事実、努力を重ねれば
ある程度までなんとかなるものです。

そして、その成功体験が
さらなる「努力する自分」を生み出し、
マグロ状態と言われる、動き続ける自分を作り出します。

しかし…、子育てがこのスパイラルにはまってしまうと、
子どもは息苦しくなってしまいます。

もっと、頑張れ、
あなたには力があるから、もっと頑張って!

できないのは努力が足りないから、
努力する自分になるために、目標を作りましょう!…という具合です。

そういう環境で育ってしまうと
たとえ良い塾に通い、
よい先生からの指導を受けても、
勉強に対して我が事意識を持てず、
お母さんのための勉強、
先生のための勉強、となってしまいます。

「保護者と子どもの関係は学力に影響を与える」ということは
特に海外の論考では多くいわれていますが、
関わり方には加減が必要ということになります。

さて、明らかにこのような
「詰め込みすぎタイプの保護者」に対して、
教師としてはどう関わったらいいのでしょうか。

保護者が良いと思い込み、行っている子育てに
外側の人間が口出しすることは難しいかと思います。

だからといって、このままでは
子どもの頑張りが空回りになってしまい、
放っておくわけにもいかないでしょう。

その際には、

===
否定するのではなく新たな知識を伝達する、
===

という考え方が機能します。

「お母さん、それではだめですよ」という否定ではなく、

「お母さん、スペースを空けるという考え方がありますよ。
お子さんが何か新しいことを始めるためには、
そこにはスペースが必要なんです。
更に勉強に集中できる環境をつくるために、
今行っていることを少し整理してみませんか。
心の断捨離です・・・。」

例えばこんな会話です。

否定ではなく、新しい知識として伝達することで
同じことでも、伝わり方がぐんと変わります。

保護者に寄り添うということは、
必ずしも、保護者が行っていることに共感するということではありません。

ときには、保護者を指導していくことも必要です。

伝え方を工夫し、ぜひとも
保護者の方に寄り添ったご指導をしてさしあげてくださいね!