TOP VOICE -教育コーチングの視点-

子どもと接していると、
「どういう環境で育っているのか」が
透けて見えてくるようなこと、
ありませんか?

たくさん承認されて育っている子
毎日批判されながら育っている子
興味をもってもらえずに
寂しい思いをして育っている子

親の子育て方針に意見することは
もちろん出来ませんが、
親の子どもへの対応があまりにも……
と感じられる時、講師としてどう関わっていけばいいのでしょう。

最新活動報

年間で教職員研修に入らせて頂いている学校様の
夏合宿に同行してまいりました。
一泊二日、温泉です。
座学のいわゆる研修は初日の午後、
夜は思いっきり語り合う時間にしました。

宿泊研修はやはりいいですね!
場所が変わると思考回路が変わるのでしょうか…。
夜の時間の盛り上がりは半端なかったです。

研修を終えた先生からは
今回の参加メンバーとは
同士として頑張っていける仲間となることができました!
という感想を頂きました。

忙しい日々ですが、
だからこそ、場所を変えて語り合う時間を
確保してみてはいかがでしょう。

イマドキ保護者のREAL VOICE

case. 「子どもへの対応が気になるお母さん」への対応策

おとなしく、もの静かなA君は
塾ではたいてい一人で過ごしています。

勉強に関しては、特に問題はありません。
自分から講師に何か言ってくることはありませんが、
褒めると、はにかみ
とてもうれしそうな顔をします。

そんなA君のお母さんの行為が、
とても気になります。
ちょっとしたことでも、大きな声を出して
彼を叱り飛ばすのです。

周囲に我々講師や、友達がいてもお構いなし。
「グズグズしないで早くしなさい」
「何言っているの、馬鹿じゃないの!」
といった感じです。

悲しそうな顔をしているA君を
何とかしてあげたいものの、
為す術がありません。

どう解決に向かうか―江藤真規の教育コーチングからの視点

「このまま放っておけない」と
感じているようでしたら、
お母さんに対して、何かしらの
アクションを起こしたほうが
いいのだと思います。

このままでは塾をやめてしまう……
というのもありますが、それよりも
A君を守ってあげるという
意味あいからです。

だからといって、
「お母さん、言い過ぎですよ」とは
絶対に言えません。

家庭の文脈が全然わからない状況で
子育てのアドバイスをすることなど
誰にもできないからです。

分かっていることは
「みんなの目の前」で
お母さんがA君に「怒鳴っている」ということ。
事実として言えることは、それのみです。

対応としては、お母さんの行動に対してではなく、
お母さんの気持ちに目を向けること。

「悪い母親」と思うのではなく
「このお母さん、きっと
心が一杯一杯なんだろうな」と
感じてあげることでしょう。

先生がそう感じとった対応をするだけでも、
このお母さんは救われるかもしれません。

1.明るく元気に声をかける

「今日もお疲れさまです」
「お迎えありがとうございます」

他人を敵視しているケースはよくあります。
声をかけてあげることで、
私(講師)はお母さんの味方であることを
理解してもらえるでしょう。

2.心の扉をノックする

「お母さん、最近はどうですか」
「夏はいかがお過ごしですか」

ラポール(心と心の架け橋)ができてから、ですが
何かあったら話していいですよ!という
メッセージを送ってあげましょう。

いまの状況で、できることは
ここまでだと思います。
言い換えれば、これ以上
相手の領域に深く入っていくことは
出来ないのだと思います。

しかし「何かあったら先生に聴いてもらえる」と
思ってもらえるだけでも、
お母さんには大きな救いとなるはずです。

「最近どうですか」に対して
「先生、聞いてください」と
お母さんが心を開いてくださるなら、
是非とも話を聴いてあげてください。

コメントは何もせず、
ただ聴いてあげるだけで大丈夫でしょう。

アドバイスは、お母さんの心が軽くなり
スペースが作られてから。

お母さんの親としての自己肯定感が高くなれば
「子どもとどう関わるか」という
次のステップへと進んで行けることでしょう。

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塾講師にも、ソーシャルワーク的な保護者支援が
求められることもあるかもしれません。

深刻な問題と感じた場合には
第三者期間につなぐことも、
とても重要と思います。

子どもには多くの
大人たちの「眼差し」が必要なのです。