【今回のご質問】
将来について子ども自身に考えさせたいのですが、何を聞いても明確な答えが返ってきません。どうしたら、将来について考えられるようになるのでしょうか。

自分の将来を考えるためには、材料が必要です。材料とは、子どもの「心が動かされる経験」に伴う「こうありたい」と願う気持です。何も経験がない中で、もしもお子さんが将来を語っているなら、それは「将来を考えなければいけない」という思いからかもしれません。イラショナルビリーフ、つまり「将来を考えなければいけないんだ」、「将来を考えられないなんて悪い子だ」という不合理な思いからです。よって、お子さんが今将来を考えられないのは当然のこと。むしろ自分に正直に生きていられる状況にあると、将来が見つからないことを良い側面として捉えた方がいいかもしれません。

「将来」を考えるためには、それなりの材料が必要です。「好き・嫌い」、「自分に合っている・」合っていない」を考えるにあたっても、材料が必要です。材料とは、「経験」です。何も材料(経験)を持ち合わせない子どもに対して、「将来は何をしたいのか」と迫ったところで、出てこないのは当たり前。あるいは聞きかじった情報の中から、親が喜ぶような解答を見つけるに過ぎません。

答えが返ってこないことを良しとし、今、是非とも行っていただきたいのは、「多様な経験を積ませる」ことです。「子どもだから出来ない」、「まだ早い」等の考えは横におき、是非とも、あらゆる経験を積ませることに、今は意識を向けてもらいたいと思います。多様な人と出会う、自然に身を置く体験をする、越境していつもは接点のない仲間と議論をする…。そこから気付きが起きることこそが、これからを考えるきっかけとなります。体験に勝るものはありません。

子どもだからこそ、目的のない行動をさせてあげましょう。子どもの世界にはPDCAは関係ありません。
越境して多様な経験を…。そこから得られる価値は、大人の想像を超えるほど大きいことは間違いありません。