イマドキ保護者のREAL VOICE-教育コーチングの視点-

case.5  小学5年生の娘をもつお母さん
「仕事があり、子どもの勉強を見るのに限界が…
本当はもう1人でしてほしいのに」

もう5年生の秋。
そろそろ自分で勉強をさせたほうがいいとは思うのですが、
一人で勉強をさせると、成績が下がってしまいます。
私が横について勉強をみると成績はポンと上がります。
結局、親次第なのでしょうか……。
しかし、働いている私の身には限界があり、この先が心配です。

↓↓↓ 子育てコーチ・江藤真規の教育コーチングの視点 ↓↓↓

たしかに親がぴったり横について、
手取り足取り手助けをすれば、テストの成績は上がるでしょう。

しかし、このまま”ママ先生”を継続していくことが
本当に良いことなのか、そして、それは実現可能なのかを
いま考えることは、とても重要なことです。

近視眼的になりやすく「今」しか見えないお母さんに、
「受験生の成長の見通し」をたてられる先生が助言をしてさしあげることは、
親のためのみならず、子どものためにもなるはずです。

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解決に導く「提案」のヒント
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1.お母さんの話をじっくり聴く。
→ポイントは、仕事と子育ての両立に
ご尽力していらっしゃる姿勢への共感です。
お母さんの気持ちを承認しながら聴いてください。
同様の悩みが多いことを示し「自分だけではない」と
安心してもらうのもいいでしょう。

2.視点を「前」にズラすよう誘導
→質問のテクニックを使いましょう。

「来年の今頃は(お子さんに)どうなっていてもらいたいですか?
「その理由は?」

3.未来に向けて“今”できることを考える・出来ない理由を考える
→自立して勉強している未来を保護者が思い描けたら、
そうするために「今」どうしたらいいのかを考えます。
同時に子どもに任せられない理由も考えてもらいます。

「では、今、この5年生の間にどうするのがいいと思いますか?」
「いつからどの程度を任せていくようにしますか?」
「具的に任せる部分は?何%を任せていきますか?」
(パーセンテージ等で数値化すると分かりやすくなります)
「(任せたほうがいい、とわかっていても)任せられない理由は?

4.子どもの気持ちも考えてみる
→子どもの気持ちを想像しながら、
何があったらやる気になるかを考えてみます。
「お子さんが、一人になると勉強をやらない理由は?」
「“やりたい”に仕向けていくには、どのような方法がありますか?」

5.  プロの視点から提案する
→子どもがやる気になるための工夫は
きっと先生方は沢山ご存知でしょう。

塾におけるお子さんの様子等を伝えながら
家庭においてのやる気の出し方を提案できれば
保護者からの信頼感はぐっと上がるはずです!

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的に行動目標をもつことにより、
母親の不安感は軽減されます。

しかし、子どものサポートを手放していくプロセスにおいて、
再び不安になってしまうこともあるはずです。

紙に書き出す等、持続していくための工夫も
盛り込めるといいですね。

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WEEKLY IN-PUT【今週の保護スキル

目標を具現化するテクニック「数値化」

今回、紹介した「提案のヒント」のなかで
保護者の行動目標をパーセンテージとして数値化する、
というテクニックを紹介しました。

もっとやる
もう少し成績を上げ
たくさん勉強をする
○○力を高める……

よく使われる言葉の類ですが
実はコレ、目標としてはとても漠然としています。
いざ行動に移そうとするとき「もっと」ってどのくらい?
「もう少し」ってどの程度?と疑問が湧いてきてしまいますよね。

もっとやる      → 3回を5回にする
もう少し成績を上げる → 評価ランクをAにする
たくさん勉強をする  → 早起きして30分でもやる
○○力を高める    → 必要なスキルを学べるセミナーに5本参加する

目標を立てるときには、そこに具的な数字を入れること。
子どもを相手に、目標を設定させようとするときや
いまの気持ちを聞くときにも、活用できるテクニックです。

どのくらいの時間なら、毎日続けられる?
いまのやる気は何%?
富士山でいえば何合目?

面談の前などには、さまざまなパターンを想定して
自分のなかで準備しておくと
よりスムーズな提案ができるようになりますね。