塾で自然発生した「学びあい・教えあい」

 

「教える」の時代から「引き出す」の時代へ。

子どもたちの学びの環境は
大きく変わりつつあります。

ティーチングからコーチングへ。
こんな言葉もよく聞きます。
教育コーチである私には
コーチングの定義が曖昧すぎることがちょっと気になりますが…。

先日、友人とのお喋りで聴いたこと…。

その友人のお子さんは
現在中学受験に向けて
進学塾に通っているそうです。

塾といえば、
先生が教えてくれて生徒が学ぶ・・・というスタイルがメインです。
もちろんその中には
コーチング的関わりがあったりするのでしょうが、
新しい知識を習得するには当然のスタイルです。

しかし、講義が終わったあとの、質問タイム。

この時間に何が行われているのかというと、
なんと、友人のお子さんが通う塾では
生徒同士がみんなで
わからないことを出し合い
生徒同士で教え合い

そして、その中で
誰もわからないこと…
それを先生に「皆で質問にいく」という
学び合い、教え合いのスタイルができているそうなのです。
びっくりしました…。

なんて、力量の高い塾の先生なのでしょう!
と思ったところ、
その学び合い、教え合いのスタイルは
先生からのアドバイスではなく
子どもたちの中から自然発生で出来てきたとのこと。
更にびっくりしました…。

まさしく質の高い、
理想的な学習環境ですよね。

そして、子どもたち自身が
このような理想的環境を作り出している…
これこそ、大切な着眼点と感じます。

話し合う、
学び合う、
教え合う、

「わからないこと」は「わからない」と言える、
皆が違う意見を持っているのは当然のこと、
「わからない」から「わかる」に移行する際の感動、

これらが子どもたちの家庭における日常生活に
きっと埋め込まれているのだと感じます。

だから、、、
「みんなで集まってやろう!」
「誰にもわからないことを先生に質問にいこう!」

このような自律的学習環境が
自然発生的にできあがったのでしょう。

新しい知識を習得するのが塾であるとするなら、
その基盤となる学習への向き合い方、
ここを育てていくのは家庭の役割であり、
週に数回の塾の指導の中では、決して完結することは出来ません。

家庭と塾との連続性がなぜ大切か…。

子どもの学習効果を高めることにつながるから…、
こういっても過言ではないと感じます。