保護者を引っ張り出すことの重要性


先週、文科省で開催された実践的勉強会にて
話題提供をさせて頂きました。

国も次々と新しい取り組みを展開するなか、
私のような実践者の意見も聞いていこうという趣旨で
本勉強会は開催されています。

私がお話させて頂いたテーマは、
「家庭教育支援と社会人の学び直し」について。
タイトルは、
「人生100年時代・学び直しを通して生きがいを見つける」
と致しました。

まずは、私自身の現在の「保護者教育事業」の具体的取組み、
そこで感じる課題や展望をお話させて頂き、

次に自身が6年前からスタートさせた大学院での研究活動について
何が動機づけとなり、何を得てきたのか、
そこにある課題や展望について
お話をさせて頂きました。

つまり…、
自分のこれまでの学習経験、職業経験、
その中で得たこと、見えてきた課題について、
語らせて頂いたということです。

全ては現場にある…ということが
よく分かります。

さて、「家庭教育支援と社会人の学び直し」とは
一見2つの異なるテーマに見えるかもしれませんが、
私は、両者には往還関係があると考えます。

少なからず、私自身のストーリーでは、
両者には連続性があるのです…。

子育てに不安を感じたことが
子育ての学びへの動機づけとなりました。
不安がなければ学ぼうなどと思わなかったでしょう。

一つを知ると、もっと知りたくなります。
人間には好奇心があるからです。
家庭から一歩外に出て、セミナーに参加する様になりました。

そこで仲間ができたことが
私を劇的に変えました。
視野が広がり、自己肯定感が上がりました。
保護者であることに、自信を持てるようになりました。

我が家の子育てを超え、
地域の子どもたちや保護者の方々のお力になりたいと
願う様になりました。

更に学びは加速し、
事業をスタートすることになりました。

メディアを通して、広く声が発信されるようになると、
自分の声の責任の重さに、
再び不安が訪れます。

経験則は重要であるものの、
家庭教育、保護者支援にも学術的背景が必要と判断し、
大学院受験を目指すことになりました。

ここからが、いわゆる社会人の学び直しと言われている領域です。

自分のストーリーを振り返ってみると、
子どもが大きくなって時間ができたから
大学院に行こう!と思ったわけではなく、

それまでに、子育ての不安から始まる
小さな学びの連鎖があったことが分かります。

子育てには難しさが付きものではありますが、
その難しさに対処しようと努力することが
実は将来を豊かにする学び直しへの第一歩となっている…。

子育ての難しさがあるからこそ、
親は人として成長していくことができる…。

このようなことが言えると感じるわけです。

このような主張に基づき、
今、一番大切なことにつき、皆様方と議論をさせて頂きました。

そこで、出てきたのが、
「保護者を家庭から引っ張り出す」ことの重要性。

誰かとの出会いは、人を劇的に変化させます。

家庭から一歩外に出ることには
相当なエネルギーがいりますが、

親同士の関係も希薄化している現在、
保護者が他者と出会い、会話をすることの重要性は
ますます増していると言えるでしょう。

きっかけがなければ、人は外には出てきません。
保護者支援・保護者教育においては、
まずは保護者に出て来てもらう…ということが
スタート地点となるわけです。

学習塾での保護者会、保護者面談は
保護者に出てきてもらう、
つまりは保護者を劇的に変化させる
最適な場でもありますね。

保護者の視野が広がり、
保護者としての自己肯定感が上がるような、
そんな時間がきっと学習塾にはあるように思います。

親が元気になれば、子どもも元気になるはずです。

保護者とつながる時間を
是非とも工夫して作っていただければと切に願います。