イマドキ保護者のREAL VOICE-教育コーチングの視点-

case.7  中学2年生の娘をもつお母さん
「何を聞いても『別に』としか答えない娘。
成績が下がったことに触れようものなら激昂……手がつけられません」

最近、娘が全然話をしなくなりました。
以前は塾であったことも楽しそうに話していたのですが、
最近は何を聞いても「別に」のみ。

成績も少し下がってきてしまいました。
しかし、私が何か言うと人が変わったように怒りだし、
手がつけられない状況です。

↓↓↓ 子育てコーチ・江藤真規の教育コーチングの視点 ↓↓↓

塾の先生が、子どもの成長や
家庭内での問題にどこまで関与するか…。

なかなか悩ましいところかと思いますが、
「塾とは関係ありません」と突き放してしまえば、
保護者の不安は、不満となってしまいます。

かといって、「思春期だから当然です!」と
先生のご経験から一般化してしまっても、
保護者には理解することができません。

まずは、保護者の不安感をしっかりと傾聴し、
悩みを吐き出してもらった上で、
悩みの渦から一歩を踏み出す勇気を
もってもらうのがいいのではないでしょうか。

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解決に導く「提案」のヒント
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1.保護者の不安に寄り添う
→「それはお辛いですね」「ご心配ですね」と
保護者の不安な気持ちに寄り添い、承認をしてあげてください。
それが「私には何でも話していいですよ」というメッセージです。
そして、塾では元気に変わりなくしているようであれば、
様子を伝えて、安心を促しましょう。

2.子どもの気持ちを考える
→「別に、という言葉にどのようなメッセージが含まれていると思いますか」
と、子どもの気持ちを想像してもらい、様々な解答を引き出します。
解答を引き出すときには、1つ答えが出てきたら「それから?」「ほかには?」と
問いかけていきましょう。

はじめは「ママなんて嫌い」と否定的な答えが出てきても、
問いかけを繰り返すうちに「自分でやるから放っておいて」と
自立に向かいたがっているメッセージが出てくることが多いです。

3.子どもを支えるために「できること」を考える
→「子どもの気持ちを支援するために、お母さんには何ができるでしょうか」
問いかけて考えを促すと同時に、「今の大変な時期、思春期を経験することは
お子様の将来にどのような意味があるでしょう」とアプローチすることで
思春期は、成長過程においてとても重要な時期であることを
察知してもらいましょう。

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親だからといっても、子どもからの強い当たりに
我慢ばかりしていては無理が生じます。

「お子さんからのツラい言葉に、
くじけないためにどのような工夫をしましょうか」

少しの贅沢をする、別の部屋で趣味を楽しむ、など思春期を乗り越えていくための
工夫を考え、宣言、実行してもらうことで、
最強の親子関係を築くことができるよう、導いてあげてください。

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WEEKLY IN-PUT

悩みや質問には「答えない」

子どもへの応に困惑する保護者は
藁をもすがる思いで、先生方に「どうしたらいいのでしょうか」と
「正しい答え」を求めます。

そういった場合、コーチの立場では
すぐに「答えを教える」ようなことはいたしません。

今回のリアルボイスでもお伝えしていますが、
「そういった言動には、お子さんの
どのような気持ち・メッセージが込められているでしょうか」
と、相手との関係性に目を向けるような質問を投げかけます。

答えが返ってくることに慣れている方は
はじめのうちは、戸惑うことでしょう。

しかし、それを繰り返していくことで、
次第に、自ら相手との関係性に目を向けて
状況改善に向けた取り組みを、自然発生的に始めるようになるでしょう。

ただ答えを与えのではなく、考えを促す訓練を続けると
目の前にある解決すべき問題を、自分自身の課題として主的に捉え、
愛情と責任感をもって取り組めるようになっていくのですね。

そもそも、親子関係における「正しい答え」だなんて
当事者以外が導き出すことは、不可能。

相談を受けたら、無理に正しい答えを教えようとするのではなく
一緒に考えながら、その人なりの答えを導き出していくお手伝いをするイメージで
いるといいのかもしれませんね。