イマドキ保護者のREAL VOICE-教育コーチングの視点-

case.6 小学6年生の娘をもつお母さん
「夫婦間の意見の相違から
子どもの志望校が決まりません」」

主人と私の意見が食い違い、未だに娘の志望校が決まりません。
主人はニューウェーブ系に興味があり、
新しい校風の共学校へ入れたいと言っているのですが、
私には不安に思えてダメ。
娘は伝統的な女子校に入れたいと考えています。
子ども自身の意見は「どちらでもいい」と……。
このところ、毎日のように揉めてしまっていて困っています。

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「志望校」とは、誰のものなのか。

中学受験とは、親の意見が色濃く入ってくるものです。
にもかかわらず、両親の意見が食い違っている場合、
まずは夫婦でしっかりと議論をするところから始めます。

議論とは、単なる”好み”のぶつけ合いではありません。
「なぜ、その学校をいいと感じているのか」
互いに明確な理由を述べ合い、子どもの素質という観点から
多感な時期を過ごす最高の環境を見つけられるよう、
ご家庭に提案できるといいですね。

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解決に導く「提案」のヒント
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1.お母さんの話をじっくり聴く。
→「なぜ、伝統校がいいと思うのですか?」
(女の子だからは理由になりません)
「お子さんの母校となる学校に、何を期待しますか?」

「この2点が明確になると、ご主人との議論も
とてもスムーズに進むはずです」との助言も忘れずに。

2.ご主人の考えを推測し、立を話へ
→「ご主人はなぜ、その学校を勧めるのでしょうか」

相手の気持ちを推測すること=相手の目線に立つこと。
立」から「話」へと状態を変化させていきましょう。

3.いい議論をするために、思考の整理をお手伝い
→「意見をご主人に伝えるためには、
どう表現するのがいいでしょう?」
「ご主人の本当の気持ちを聴くために、
どのような工夫ができると思いますか?」

いい議論をするためには、相手の気持ちに
バイアスをかけずに聴くことが重要であると、
伝えられるとなおいいですね。

4.子どもの気持ちも忘れずに
→ある程度、夫婦間で方向性を定めたら
子どもに意見を求めましょう。
「親が決めた志望校」から「自分自身の志望校」に
なってこそ、受験勉強にも身が入るというものです。

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いい議論に欠かせないのは、いい聴き役です。
表面上では意見に食い違いが生じても、
夫婦間の根底に流れる、わが子にする願いや想いは一緒…
ということを信じることで、
立から話へと流れは変わっていくはずです。
先生方に夫婦の仲裁役を求めるわけではありませんが、
このような相談を受けたときには、
話にむかえるような提案は役立つことと思います。

なお、ご両親に受験にまつわる知識がなく、
志望校決定が感覚的になっている場合も多々あります。
そのようなときはご両親に揃って塾に来ていただくこと。

最新情報を提供することで、
状況改善の手助けをできるかもしれません。

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WEEKLY IN-PUT

「質問」で思い込みをゆるめる

身近な誰かと意見が食い違っているとき、
自分の意見こそが正しい、と自分自身に
言い聞かせるために、無意識のうちに
「思い込み」をしてしまっていることが
多くあります。

例えば、今回のケーススタディ。

「女の子なのだから、伝統ある女子校に!」
「新しい校風の共学校だなんて…」
「子どもは、どこ吹く風でどちらでもいいと言う」

本当の本当に、そうなのでしょうか。

「女の子は伝統ある女子校に」と、誰が言ったのでしょう。
「新しい校風の共学校はダメ」って、絶にそうなのですか?
「どちらでもいい」と言うのは2人がもめているからではないですか?

言葉のなかに「絶的要素」が含まれていた場合に
効果を発するのは、象を具化する質問です。

「それは、誰が言ったのでしょうか?」
「絶にそうなのですか?」
「いつもそうですか?」
「直接、伺ったのですか?」

相手の思い込みを緩めたい、と感じたとき
このようなフレーズを質問のなかに取り入れると
相手の本当の気持ちを引き出せるようになりますよ。